自 由 記 述

●青森県知事  真の地方分権と国土の均衡ある発展を実現するため、首都機能移転問題は、後退させることなく進めていくべきである。
●福島県知事

 首都機能移転は、「国政全般の改革の契機」「東京一極集中の是正」「災害対応力の強化」などの重要な意義を有している。
 平成7年には、不幸にも阪神・淡路大震災が発生し、巨大都市における直下型地震の危険性、大規模災害時の危機管理の重要性が改めて浮き掘りにされた。また、バブル経済の崩壊により、東京圏への集中は一時鈍化したものの、ここにきて集中の度合いは再び加速されようとしている。特に、都市の過密化・スプロール化等に伴う交通渋滞や大気汚染、ヒートアイランド現象、都市部への遠距離通勤、インフラ整備コストの増加など、東京圏が抱える問題は解決のめどさえ立っていない。例えば、東京圏の高速道路の1Km当たりの建設費は、地方の10〜30倍と非常に社会資本のコストがかかる。生活者の視点で見ても、都心3区への通勤・通学は、1日2時間以上かかる人が全体の3分の2にも及んでいる。このような生活環境のひずみは、合計特殊出生率(1人の女性が一生の間に生む子供の数に相当)でみると、全国平均が1.34、ちなみに福島県1.63に対し、東京都は1.03と低いなど、著しい少子化傾向からも読み取れる。
 これからの都市づくりには、こうした巨大都市が抱える様々な課題を解決する新たな視点が必要である。数年前、ブラジルの首都であり、首都移転の先例であるブラジリアを訪問したが、都市の中に3000人程度のスーパーブロックと呼ばれる快適な生活圏がつくられており、他の大都市に比べて、出生率が高いとのことであった。すなわち、21世紀にふさわしい価値観やライフスタイルを先取りした都市づくりを提案し、実現させることも首都機能移転の大きな意義といえるのではなかろうか。私は新首都像として、自然との共生を基本理念とする、省資源・省エネルギーに配慮したクラスター型(ブドウの房状)のコンパクトな「森にしずむ都市」を提唱している。そのような都市でこそ、人類が持続可能な成長を遂げていくことが可能になると考えている。
 首都機能移転は、21世紀の我が国の進路を象徴し、世界のモデルともなりうる都市づくりである。ブラジリアをはじめ、オーストラリアの首都であるキャンベラでは、新たな首都建設に100年近くかけている。今後、我が国においても、国家百年の大計にふさわしい長期的な視点や生活者の視点、さらには防災上の観点などから、首都機能の移転に向けた議論が一層深まり、実現されることを期待している。

●茨城県知事

 現在の移転プランでは、新都市の人口規模は最終的に約56万人とされているが、首都機能の運営に十全を期するためには、人口100万人は必要であると考える。

●栃木県知事
  • 栃木県の取組方針について(Q15、Q16に関連して)
     国会等移転は、21世紀の我が国のあり方を決するものであり、オリンピックや工場誘致等とは次元を異にするものである。
     本県那須地域は、国会等移転の持つ国家的意義に貢献できる客観的条件を有していることから取り組んでいる。
  • 移転対象となる首都機能について(Q16に関連して)
     国会等移転法では、国会並びにその活動に関連する行政司法の中枢的機能とされており、特段どの省庁という希望は持っていない。
  • 移転の是非をめぐる様々な議論について
     国会等の移転は、その時々の財政状況等に左右される施策とは次元を異にするものであり、まさに21世紀の我が国のあり方を決する課題である。
     国会等移転は、国会が自ら法律で決めたことである。もし、これが実現しなければ、我が国の信用を、国の内外に問われることになる。
  • 国民合意形成の必要
     国会等移転については、その意義等十分説明すれば、必ず国民の理解は得られると考えており、知事として県民の合意形成に積極的に取り組んでいる。国においても、国民の合意形成の取組に一層尽力されることを望む。
  • 早期の移転先決定について
     国会等移転の意義のうち、特に国の災害対応力の強化は緊急の課題である。
     もし、東京に大地震が起こり、政治・行政機能がマヒすれば国民全体に大きな影響を与えることは必至である。
     従って、早急に政治・行政機能を、東京と同時被災せず連携のとりやすい場所へ移転させることは急務であり、まさに国民的課題である。
     こうした意義、今までの経過を踏まえ早急に移転先地を決定するべきである。
●群馬県知事  Q7について 無回答としたが、移転の是非とは別に、災害に対応するためのバックアップ体制は必要と考えている。
●埼玉県知事  首都機能を移転することは、国民生活やわが国の政治・経済全体にとって極めて重大な影響をもたらすものであり、日本の首都はどうあるべきか、移転が本当に国民のためになるのか等について、十分な議論を尽くすことが重要と考えている。
 また、東京の一極集中是正のためには、業務核都市の育成・整備や国の行政機関等の移転などによる「展都」と「分権」によって首都圏の再編整備を行うことが、最も現実的かつ有効な対応策であると考えている。
●千葉県知事
  1. 首都機能移転は今後の首都圏のあり方のみならず、わが国全体にとって極めて大きな影響を及ぼす重要な問題であると認識している。
  2. 国際間の競争が激化し、わが国の活力創出に資する諸機能の展開を図らなければならない重要な時期に、現在の東京圏における蓄積を生かすことなく、いたずらに他の場所に国会等を移すことは、東京圏ひいてはわが国の活力を削ぐものであり、わが国の国際的な地位の低下を招く危険を冒すこととなり、避けるべきであると考える。
  3. 東京一極集中問題解決のためには、「分散型ネットワーク構造」の実現が第一に重要であり、業務核都市等の育成整備を推進し、これらの都市に業務施設や国の行政機関等の移転等を図ることなどによって首都圏の再編整備を進めることが最も現実的かつ有効である。
  4. 首都機能移転問題についてはこの問題が地域対立や政治対立を招かないよう、国民への十分な情報の提供が必要であり、国は移転論議の原点に立ち返り、日本の首都はどうあるべきか、移転が本当に国民のためになるのかといった点について再度十分検証するとともに、東京圏のポテンシャルをさらに高め、わが国における政治・経済・文化などの機能がさらに一体的に機能し得るよう、首都圏の再編整備を図るべきである。
●神奈川県知事
  • 首都機能移転問題については、当初、東京への過度の一極集中の弊害を排除するため議論されてきましたが、その後、国政全般の改革、人心の一新、災害への対応等、いくつかの項目が付け加えられてきました。また、「国会等の移転に関する決議」が行われた平成2年の頃と比べても、バブル経済崩壊や財政状況の悪化、東京への一極集中圧力の緩和など社会経済情勢が大きく変化してきています。現在の社会経済情勢を踏まえ、メリット、デメリットを明確にし、首都圏の再編整備も視野に入れた上で移転の必要性について原点に戻って考えなおす必要がありますが、こういった総合的、国民的な議論が不十分であると考えます。
  • 国も「第5次首都圏基本計画」で、分散型ネットワーク構造の都市圏づくりということを打ち出しておりますが、首都圏全体として首都機能をそれぞれ地域の特性に応じて担っていくためには、業務核都市の育成・整備などによる「展都」と、地域の自立性を促進する「分権」を着実に推進し、首都圏の再編整備を行うことが、最も現実的かつ有効であると考えますし、また、神奈川県の県土づくりにおいてもこうした考え方を反映させてまいりました。
  • 首都機能を移転することは、国民生活、わが国の政治・経済全体にとって極めて大きな影響をもたらしますので、その意義や効果等について幅広く検証し、「展都」と「分権」による首都圏の再編整備を一つの対案として、十分な論議を尽くすべきであると考えます。
●福井県知事  現在、首都機能移転の論議が、移転候補地として選定された地域でのみ行われているように見受けられるが、今後、国民のコンセンサスを得るには、それ以外の地域の住民に対し、移転により具体的にどのようなメリットがあるのか十分な説明が必要である。
●長野県知事  首都機能移転については、まず第一に理念があるべきで、それに次いで器を考えるべきである。また、現在の財政状況、経済状況を考えると、優先する課題とは思えない。熟慮に熟慮を重ね、国民の合意形成を図るべきである。
●岐阜県知事  国家百年の大計として目先の経済、政治情勢などに振り回されて根本を誤ることがないよう首都機能移転を進めて欲しい。
●静岡県知事

 首都機能移転は、将来の日本の在り方を左右する国家的テーマであると受け止めている。
 特に、防災面においては、望ましい首都の在り方の議論とは別に、現在の東京が災害に非常に脆弱な都市であり、今の東京をバックアップする機能を整備する必要があるという視点から考えていくべきである。これは、いわゆる新首都とは別の意味で、ある程度の都市機能が備わった所に、首都のバックアップ機能を整備するという観点から、その都市にない機能を付加していくことで、現在の首都東京が災害等でダウンした際には首都機能を代行できると同時に、平常時には、今まで以上の高い都市機能、特に国際的なコンベンション機能を果たしうる都市として、有効活用できるというものである。

●愛知県知事  現在、首都機能移転については経済情勢や政治情勢の観点から凍結論が議論されているが、首都機能移転は国家の根本に関わる重要な問題であるので、長期的な観点から進めるとともに、これまで以上に積極的に国民の広範な支持を得るために取り組んでほしい。
●滋賀県知事  首都機能移転が、一部において最近の公共事業の見直し論とからめて議論されておりますが、首都機能移転はこれからの日本のあり様そのものを問う極めて重要なプロジェクトであり、公共事業の見直し論と同一レベルで議論すべき性質の問題ではなく、長期的視点に立った国家戦略として考えるべき問題であると考えております。
●京都府知事  「三重・畿央地域」が移転候補地の一つに選定され、本府も対象地域にあるが、首都機能移転の推進が、単なる「誘致合戦」になってはいけないと、感じている。
 本来、首都機能移転は、国家百年の事業として、今日の閉塞感を打破し、21世紀の日本のあり方や進路を国民や世界に対し示すものであり、移転については「賛成」というよりは、むしろ「必要」という考えである。
 したがって、言うまでもなく公共事業とはまったく別のものであり、「どこに首都機能を移転すべきか」という議論と同時に、「新しい首都像(日本)はどうあるべきか」も大いに議論した上で、国民の合意形成を図り、移転先を決定することが大切である。
●兵庫県知事  本年4月1日の一括法の施行により、地方分権については一定の進展が見られたところであるが、国と地方の調整システムの確立や地方税財源の充実確保など、さらに検討すべき課題が残されている。このため、首都機能移転に先立って、現行の行財政制度を真の意味での地方分権型に改めていくことが最も重要であり、そうでないと、単に第二の東京をつくるだけで終わってしまう。
 首都機能については、ワシントンDC・ニューヨーク・ボストンのように、その機能を政治・経済・文化に区分し、各機能毎に相応しい地域が分担することが現実的であり、そうした場合には、文化的蓄積に優れた関西圏が文化首都機能を担うことが適当である。
 首都機能の移転は地方分権と並ぶ国家的大事業であるものの、現段階では国民の関心も低く、賛否両論があるので、今後の国会における移転先選定にあたっては国民世論の動向も踏まえ、十分な議論が尽くされることを期待する。
●島根県知事  財政状況が改善するまでは凍結すべきであると考えている。
●広島県知事
  • 日本の改革を進めていくためには、“ハコ”を変える(首都機能移転)のではなく、“ハコ”の中味を変えていく必要がある。
  • 具体的には、中央省庁の大幅なスリム化(外交、防衛など国として統一的に発揮すべき機能に特化)と地方分権が必要不可欠である。
  • 情報・通信技術が飛躍的に発達しており(将来的には、中央政府の機能が一つのサーバーの中に収まってしまうようなことも考えられる)、20世紀型のインフラを前提として、“ハコ”としての新首都を造ることは疑問である。(ただし、防災上の観点から、中央省庁等の情報のバックアップシステムを東京以外に整備することは必要)
●山口県知事  首都機能移転については、重要な国民的課題であると認識しておりますが、これにより地方分権等の諸改革や多軸型国土構造の形成がどのように促進されるかが、現時点では必ずしも明確ではないため、一概に賛否は判断できないと考えております。
 このため、回答を差し控えさせていただいた設問がありますことをご了承ください。
●徳島県知事  移転候補地以外の地域において関心が薄い傾向が見受けられる。首都機能の移転は、その意義が国民に理解されることがむしろ重要とも言えるものである。
 候補地以外における普及を進める必要がある。
●長崎県知事  首都機能移転(国会等の移転)の移転先や規模、移転すべき時期等については、今後もっと国民的な議論を重ねていく必要があると考えている。
 但し、首都機能移転が目指す意義として掲げる事項については、災害対応力の強化等、国会等の移転の有無に関わらず、早急な対策が必要とされるものである。特に、東京への一極集中是正策については、国会等の移転のみでなく、企業や工場、大学等の地方分散化を進めるなど、総合的な対応策を検討していくことが重要であると考える。
●大分県知事  現在の中央集権体制のままで「首都移転」を行うと、第二の東京を造ることとなり、九州の者にとっては、かえって不便になる。
 私は「姿なき転都」を唱えてきた。
 これは、国の持つ権限や財源を地方に移譲し、地方のことは地方が決定できる「地方分権」を早急に実現することであり、これにより、東京に集中している「人、モノ、情報」が地方に分散し、地方に新たな経済文化圏が形成されていくものと考えている。
 九州各県がひとつになって「九州府」を置き、九州のことは九州で決める、また関東のことは関東でというように、各ブロックに「都」を置く、いわゆる「分都」の実現こそが、真に我が国にふさわしい住民主体の制度になると考えている。そうすれば、アメリカの首都ワシントンDCが人口60万人であるように、自ら東京一極集中は解消する。
 首都移転に要する多額の国費は、むしろ「分都」を支える社会資本整備に使われるべきであり、九州は九州独自の広域経済文化圏の形成を進め、地方と東京が共生しながら、21世紀に向け、我が国の持続的発展を図っていかなければならないと考えている。
●沖縄県知事  新首都はグローバルな視点で、国内のみならず世界に開かれた国際政治都市として整備されるべきである。
 したがって交通アクセスが特に重要で、港湾、空港が立地しやすい場所を選定することが大事である。
 また現在の首都機能移転論議はあまり国民の間に浸透していない。公開討論やマスコミ等を通じて多方面から論議して結論を出すべきだと考える。


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