新首都へ 22の提案と提言


新首都へ 22の提案と提言
−22世紀に向けた社会と都市を構築するために−

NUI 日建設計 都市・建築研究所

提案1 新首都建設は国民的合意形成のプロセスである。
 新首都建設は、「平和」「文化」「環境」という、国と国、人と人、人と自然の関わりのビジョンを具体的なかたちに結実させていく。

提案2 「国会都市」は実験都市である。
 新首都は「国会都市」と周辺の「小都市群」からなる。「国会都市」は新首都の中心に位置し、国会議事堂や中央官庁などの中心的な機能が立地し、新首都の理念の具体化を徹底して追及する。

提案3 「小都市群」は、新首都の成熟に合わせて、時間をかけて整備する。  新首都建設の初期段階には、既存都市を母都市として、そのストックを活用し、続いて、成熟するにつれて生じる新たなニーズに対して、「小都市群」を時間をかけて整備する。

提案4 「国会都市」は公開される。
 「国会都市」は国内外を問わずすべての人々に開かれ、透明で公正な政治・行政システムと、国民の信頼を象徴する。

提案5 「国会都市」は環境優先である。
 新首都は都市生活のための作法と空間の原型を創出し、地球環境に対して先導的な役割を果たす。

提案6 「国会都市」は自然公園である。
 「国会都市」は、自然公園そのものとしてデザインされ、さまざまな施設が二〇〇〇ヘクタールの広大な自然の中に、水や緑と共存しながら巧みに埋め込まれる。

提案7 「国会都市」は多文化共存である。
 「国会都市」は多文化の共存を醸成する都市システムを追求し、平和を希う国の首都として国際貢献、交流の新しい拠点となる。

提案8 「国会都市」は「安心都市」である。
 それは、災害に耐える強さと速やかな回復力を備えるばかりでなく、弱者を含むすべての人々に対する安全を確保し、高齢者・障害者・外国人も安心して暮らせることを保障する都市となる。

提案9 「国会都市」はバックアップ機能をもつ。
 バックアップ機能を遠隔地にもつことにより、予想を超える大規模な災害などの非常事態に対して、「国会都市」の中枢機能は補完される。

提案10 「国会都市」はマルチメディアを縦横無尽に駆使する都市である。
 国内外のあらゆる地域の人・情報・システムと何時でも何処でもアクセスでき、立法・行政・司法の業務は高度に効率化される開かれた高度の民主社会が実現され、市民にとっても生活は極めて便利で情報豊かな都市となる。

提案11 「国会都市」は脱クルマ社会の都市である。
 高速移動・高規格道路・歩車分離を前提とした従来のガソリン自動車に代わって、未来の都市に相応しい身体感覚の移動手段「プチカ」を開発・導入する。「国会都市」内の移動は、「プチカ」による。

提案12 「国会都市」では「みち」を復権させる。
 自動車が排除された「みち」が人々の生活空間の中に参加する。脱クルマ社会の新しいライフスタイルが、颯爽と登場する。

提案13 「国会都市」は永住者のいない都市である。
 「国会都市」の居住者は、首都機能に直接関わる者だけに限定され、新しいライフスタイルの創造・実験の場となる。

提案14 「国会都市」には「アーバンセンター」がある。
 「国会都市」の中心部は、アーバンセンターとして、さまざまな機能が高度に集積された未来型実験都市のモデルとなる。

提案15 新首都は、セントラル・ターミナルをもつ。
 セントラル・ターミナルは、空港ターミナル・鉄道駅・自動車ターミナルの機能を併せもつ総合交通ターミナルであり、「国会都市」のアーバンセンターに設置する。

提案16 「国会都市」は地下都市により支えられる。
 「国会都市」は地下の施設によって中心的機能を支えられる。交通施設、物流施設、供給処理施設、緊急災害支援施設等は、地下空間に形成される。

提案17 「アーバンセンター」は、ハイテク防災とする。
 「国会都市」の中心部のアーバンセンターは、高度な防災性能を備えて自立的に災害に対処し、速やかに機能を回復することができ、他都市・他地域の救援活動の拠点ともなる。施設を支えるエネルギー・水などの供給システムは、災害時にも容易に破綻を来たすことがない。

提案18 アーバンセンターの周辺地区では災害をソフトに受け流す。
 アーバンセンターの周辺地区は、オープンスペースを活用した街区の配置をもち、大災害をソフトに受け流す。また、施設や環境に対する防犯上の配慮により、犯罪の少ない住環境となる。

提案19 新首都圏域には新しいニーズに応える多様な「小都市群」が作られる。
 小都市は新首都の立地に伴う圏域の新しいニーズに応えて建設される。国際小都市、住遊小都市、研究・教育小都市などが考えられる。

提案20 新首都のすべての施設は、すぐれて創造的である。
 新首都の施設には、新しい時代の日本を象徴する創造的な個性が与えられる。そのデザインはすぐれて伝統的であるとともに国際的である。

提案21 「国会都市」では都市生活の新しい作法が生まれる。
 生活のあらゆる場面で、環境を優先する新しいライフスタイルが生まれ、都市生活の作法としていきづいていく。

提案22 新首都は「テーマパーク」である。
 そのテーマは「首都機能」そのものである。テーマパークの主役は、演じる人々や演出する人々だけではない。訪れる人々もまた主役である。

 尚、本レポートは、上記22の提案からなる第1部(新首都研究チーム)、第2部「新首都への提言」(本間義人氏)ならびにキャンベラ・ブラジリアの調査報告により構成されている。

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