| 首都機能の移転問題に関するアピール |
一都三県議会議長会(1996年6月13日)
首都機能の移転問題に関するアピール
首都機能の移転問題については、元来、東京一極集中の是正、真に均衡ある国土の形成を目的とし、更にはわが国の社会システムの変革を目指して議論するべきものとされてきた。
しかしながら国会等移転調査会が平成7年12月に最終報告を行い、移転先地の選定基準の一つとして、東京から60kmから300km程度の地に新首都を建設することが適当であると提言したところ、その後の議論は移転先の候補地選びに集中した観があり、また国会では、国会等の移転に関する法律を改正し、移転問題を検討段階から推進へ移行させようとする動きも浮上した。
その一方で、こうした「首都機能の一括移転」の方針に対して広範な合意形成が見られたとはいえず、また地方分権、行財政改革、規制緩和等の社会システムの問題との関連性も、現時点では明らかにされていない。更には首都機能移転に係る財政負担についても、本格的な検討は行われていないのが実態である。
そもそも首都機能の移転問題は「国家百年の大計」であり、その決定に当たっては国民的議論を十分尽くすことが不可欠である。昨今の「はじめに首都移転ありき」といった論調には、将来に大きな禍根を残すとの危惧を禁じえない。
むしろ、地方分権、規制緩和を先行きし、首都圏においては従来からの展都策を引き続き推進することこそが、とられるべき方策であると思われる。
よって一都三県議会議長は、首都機能の移転問題については、性急に結論を求めるのではなく、国民の十分な論議を喚起し、長期的な視点に立った慎重な対応を図ることが必要だと考えるものである。この旨アピールする。平成8年6月13日
東京都議会議長 熊 本 哲 之
一都三県議会議長会
神奈川県議会議長 添 田 高 明
埼玉県議会議長 小 島 敏 男
千葉県議会議長 田 中 昭 一
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