首都機能移転に関する全国知事アンケート調査


首都機能移転に関する
全国知事アンケート調査


  1. 調査の概要
  2. 集計結果
  3. アンケート調査票



平成7年9月7日

 

財団法人社会経済生産性本部

新都建設推進協議会

I. 調査の概要

1.調査の目的

 本アンケート調査は、我が国の首都機能移転において、重要な役割を担っている各都道府県知事のこの問題に対する考えや、各都道府県における論議の動向を探ることにより、首都機能移転問題を検討する際の指針とすることを目的としている。

2.調査対象 全国47都道府県の知事

3.調査期間 平成7年7月11日〜7月20日

4.調査項目

5.担当事務局 (財)社会経済生産性本部・総合企画部
           〒150-8307 東京都渋谷区渋谷3-1-1
              電話:03-3409-1137 / FAX:03-3409-2810

II. 集計結果

1.都道府県名(問1)〔回収結果〕

回答数全体 ― 42都道府県
有効回答数 ― 40都道府県(都道府県名は下記のとおり ― 北から表記、以下同様)
 北海道青森県岩手県秋田県宮城県山形県福島県新潟県
 栃木県茨城県埼玉県東京都千葉県神奈川県山梨県長野県
 静岡県富山県愛知県岐阜県福井県滋賀県三重県奈良県
 和歌山県大阪府京都府兵庫県岡山県広島県山口県徳島県
 香川県高知県愛媛県福岡県大分県佐賀県熊本県鹿児島県

2.首都機能移転に期待すること(問2)

 首都機能移転により期待することを聴いた設問(優先度の高い順に3つ選択)では、「東京一極集中の是正」が73点で第1位。次いで、「分散型国土形成の進展」が46点で第2位、「地方分権の進展」が45点で第3位となった。なお、得点の集計においては、第1位とした場合は3点、第2位は2点、第3位は1点として、それぞれの選択肢の得点の加重値を算出した。以下の優先順で聴く質問についても同様に算出した。

(選択肢)(得点)
1.東京一極集中の是正73
2.全国的または政府機構としての防災の強化24
3.地方分権の進展45
4.道州制の導入
5.スリムで効率的な行政機構の構築
6.政治改革の進展
7.官僚主導体制の終焉
8.景気浮揚や内需拡大への貢献
9.東京の再生
10.生活者主権の確立
11. 分散型国土形成の進展46
12. その他13
  • 首都機能移転の前に、まず将来のわが国全体のグランドデザインを国民的な議論と合意を得ながらしっかりと定め、地方分権・行政改革と連動するか、あるいは分権・行革が先んじて行われその結果首都の在り方が決まるか、という形で首都機能移転が進んでいくことが望ましい。
  • 防災を中心とした住みよい東京の整備。
  • 新しい政治・行政システムの確立。
  • 連邦制の導入など地方分権の確立が先決。
  • 首都機能移転に併せて、東京一極集中の是正や、分散型国土形成の進展が図られるよう、地方分権の推進や社会・経済機能の分散・移転が行われることを期待している。
    (無回答4)

3−1.首都機能の誘致の希望(問3−1)

 現実性の有無を問わず、首都機能を誘致したいと考えるか否かを聴いた設問(1つだけ選択)では、下記16の道県の知事が「誘致したい」と回答した。

  北海道  岩手県  宮城県  山形県  福島県  栃木県  茨城県
  山梨県  静岡県  愛知県  岐阜県  三重県  奈良県  和歌山県
  広島県  山口県

 また、「誘致したいとは考えていない」は18人、「無回答」は1人、「誘致については県民各界各層の幅広い論議を待って今後検討したい」とした人が1人いた。
 なお、東京圏(東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県)の知事には、「問3−1」から「問5」まで、および「問9」の質問はしていない。

3−2.首都機能誘致のための意志表示(問3−2)

 問3−1で「誘致したいと考えている」と回答した16道県の知事だけを対象に、首都機能誘致のために実施している意志表示について聴いた設問(該当するものはすべて選択)では、「道府県庁内に首都機能誘致を担当(または研究)する部局がある。」「経済界、道府県内市町村などから誘致の声が出ている。」が最も多く6人いるが、「首都機能誘致の意志表示はしていない」も5人いた。

(選択肢)(回答数)
1.道府県の方針として、首都機能誘致を明らかにしている。
(宮城県、茨城県、栃木県、岐阜県)
2.道府県庁内に首都機能誘致を担当(または研究)する部局がある。
(宮城県、福島県、茨城県、栃木県、愛知県、岐阜県)
3.道府県の方針として首都機能誘致を明確にしてはいないが、知事個人または道府県議会などの見解として首都機能誘致の意志を明らかにしている。
(福島県、和歌山県)
4.経済界、道府県内市町村などから誘致の声が出ている。
(宮城県、福島県、茨城県、栃木県、静岡県、岐阜県)
5.首都機能誘致の意志表示はしていない。
(北海道、山梨県、三重県、奈良県、山口県)
6.その他(                    )
  • 国立醸造試験所を誘致できたが不十分。(広島県)
  • 北海道・東北自治協議会(各道県で構成)として、本地域への国会等移転を要望している。(山形県)
  • 北海道東北地方知事会等を通じて要望している。(岩手県)

3−3.近い将来における首都機能誘致のための意志表示(問3−3)

 問3−2で「首都機能誘致の意志表示はしていない。」「その他」と答えた8人だけを対象に、近い将来において意志表示をするか聴いた設問(該当するものはすべて選択)では、とくに決まった方向性は無いことが示された。

(選択肢)(回答数)
1.道府県の方針として、首都機能誘致を明らかにする。
2.道府県庁内に首都機能誘致を担当(または研究)する部局を設ける。
3.道府県の方針として首都機能誘致を明確にはしないが、知事個人または道府県議会などの見解として首都機能誘致の意志を明らかにする。
4.経済界や道府県内市町村などから誘致の声が出そうだ。
5.近い将来においても、首都機能誘致の意志表示をするかどうかわからない。
6.その他(                    )
  • 北海道東北地方知事会等を通じ、引き続き要望する。
  • 首都機能の受け皿としては、広域的な視点にたち、東北各県と足並みをそろえて積極的に対応していきたい。
  • 本州と九州の結節点、さらにはアジアへ向けてのゲートウェイとしての地理的優位性から、誘致の動きが考えられる。
  • 結局首都機能の移転はできないであろう。
  • 首都機能移転の問題は、将来のわが国全体のグランドデザインにおいて、首都はどうあるべきかについて、多方面から検討し、国全体のコンセンサスを得ながら議論すべきものであり、自治体の誘致活動や地域からの要望といったレベルのものとは性格を異にするものと考える。従って、問3−1については、「誘致したいと考えている」というより、「全体議論の中で北海道が首都機能移転の候補地になった場合、それを拒まない」という意味である。
  • 首都機能の移転問題について内部で研究中である。

3−4.地元への首都機能移転への協力(問3−4)

 問3−1で「誘致したいと考えている」と回答した16人だけを対象に、地元への首都機能移転への動きがある場合の協力について聴いた設問(3つ選択)では、「首都機能移転先となる都市の案やビジョンの提示」が12人で最も多く、次いで「新たに必要となる用地買収への協力」が11人で続いている。

(選択肢)(回答数)
1.首都機能移転先となる都市の案やビジョンの提示12
2.新たに必要となる用地買収への協力11
3.道路や空港等、首都機能へのアクセス用地の取得協力
4.道府県内の住民の誘致運動への支援
5.首都機能移転に関わる相応の行政上の分担
6.首都機能移転に関わる人材や情報等の提供と受け入れ
7.全国を対象とした首都機能誘致キャンペーン
8.その他(               )
  •  このような具体的な検討まで進んでいない。
  •  現時点でその動きがないので、回答できない。
    (無回答1)

  • 3−5.地元への首都機能移転についての考え(問3−5)

     問3−1で「誘致したいとは考えていない」と回答した18人だけを対象に、地元に首都機能が移転してくると仮定したときの考えについて聴いた設問(該当するものはすべて選択)では、「首都機能が来たら迷惑だと思う。」の回答は皆無であり、他は回答がほぼ同等に分かれている。

    (選択肢)(回答数)
    1.首都機能が来たら迷惑だと思う。
    2.首都機能は来れば良いとは思うが、移転先となる適当な場所が無い。
    3.わが道府県は日本全体の位置からみて不適当と思う。
    4.その他(           )
    • 現行の中央集権的な首都機能を前提とした移転ならば、日本全体にとって何の利益もないと思う。
    • 本県としては、最終的には連邦制のような徹底した地方分権の実現を図ることを最優先の課題と考えているので、単なる首都機能の本県への誘致等については、必ずしも必要とは考えていない。
    • 政治・経済・文化の3極を国土構造としてもつべきだ。関西は文化首都機能を担うことになる。
    • 青森県らしい青森県の個性ある発展をめざすため、首都機能の一部は誘致が考えられる。
    • 現在のところ検討していない。

    3−6.地元以外に首都機能移転がなされるときの協力や推進運動(問3−6)

     問3−1で「誘致したいとは考えていない」と回答した18人だけを対象に、地元以外に首都機能が移転すると仮定したときの協力や推進運動について聴いた設問(該当するものはすべて選択)では、首都機能移転が具体化してから検討したいとの対応が多く、その他では「首都機能移転先の誘致運動への支援」「首都機能移転先が行なう全国を対象とした首都機能誘致キャンペーンへの支援」をそれぞれ5人ずつが回答している。

    (選択肢)(回答数)
    1.首都機能移転先となる都市の案やビジョンの提示
    2.首都機能移転先の誘致運動への支援
    3.首都機能移転先への人材や情報等の提供
    4.首都機能移転先が行なう全国を対象とした首都機能誘致キャンペーンへの支援
    5.このような協力や推進運動は行ないたくない
    6.首都機能移転を阻止したい
    7.その他(            )11
    • 具体化した段階で検討したい。
    • 移転先次第ではないか。コンセンサスが得られた場所であれば支援。
    • 国家的大事業として、全国知事会等での十分な論議を期待したい。
    • 具体的な内容が分かった段階で協力等は検討する。
    • 具体的な候補地が明らかではない現段階では答えられない。
    • 状況を見て考えたい。
    • 本県としては、最終的には連邦制のような徹底した地方分権の実現を図ることを最優先の課題と考えているので、単なる首都機能の本県への誘致等については、必ずしも必要とは考えていない。
    • 推進運動と並行して、地方分権の推進ビジョンを提示していきたい。
    • 移転先や機能によって対応を考える必要がある。
    • 候補地論議を見ながら検討したい。
    • 近畿ブロックへの権限委譲が検討されるなら、その一員としての支援も考えられる。

    4.地元を首都機能移転先と考えた場合の利点(問4)

     地元を首都機能移転先として考えた場合、どのような点が優れていると考えるか聴いた設問(優先順に4つ選択、加重値により得点を算出)では、「景観、歴史性、文化性などに優れていること」が51点で第1位となり、「全国の地理的な中心や、人口重心等に近いこと」が47点で第2位となった。次いで「自然災害の危惧が少ないこと」が43点で第3位となった。

    (選択肢)(回答数)
    1.全国の地理的な中心や、人口重心等に近いこと47
    2.全国からの交通アクセスが便利で安価なこと24
    3.周囲に活用できる都市機能や国際空港があること28
    4.水資源が豊富なこと35
    5.緑が豊かなこと30
    6.必要な土地が安価にかつ迅速に確保されること16
    7.都市建設の事業費が安価なこと
    8.生活に快適な気候であること32
    9.自然災害の危惧が少ないこと43
    10.景観、歴史性、文化性などに優れていること51
    11.国際性に富んでいること16
    12.地元に首都機能誘致の熱意があること
    13.その他(            )16
  • 富山県は日本の縮図のような県である。
  • 東京圏からの交通アクセスが便利で安価なこと。
  • 本県としては、最終的には連邦制のような徹底した地方分権の実現を図ることを最優先の課題と考えているので、単なる首都機能の本県への誘致等については、必ずしも必要とは考えていない。
  • 首都機能の移転先としては考えていない。
  • 東京とある程度の距離がありながら連携を保てる位置にあること。
  • 地域社会が健全で、生活の安全性に優れていること。

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