「首都機能移転問題に関する懇談会とりまとめ」(平成4年6月22日)の概要


「首都機能移転問題に関する懇談会とりまとめ」
(平成4年6月22日)の概要


1懇談会の検討及びとりまとめの趣旨
2 首都機能移転の方法
3新しい首都像
4東京の将来像
5今後の課題


1 懇談会の検討及びとりまとめの趣旨

 本懇談会は、国土庁長官の求めに応じ、国会等の移転決議を受け、首都機能の移転を前提とした上で最も効果的かつ望ましい方策について検討するため、平成2年1月より開催した。 首都機能移転に関する国民的規模での議論に資するため、平成4年2月に検討の中間とりまとめを行ったが、その後の各方面の指摘やアンケートの結果等を踏まえ、内容を補完する作業を行い、最終的なとりまとめとしたものである。

[本資料目次]

2 首都機能移転の方法

(1) 首都機能移転の必要性と目的

 (1) 首都機能移転により、21世紀にふさわしい国土構造の実現を図り、我が国の経済的豊かさに見合った真の豊かさを実感できる新しい社会を実現する契機となることが期待される。
 (2) 首都機能移転により、住宅問題、長距離通勤問題等の大都市過密問題の解決に寄与し、都市機能の発展と都市整備の進度がバランスすることが期待される。
 (3) 首都機能移転により、東京が地震等の大規模災害に見舞われた際に予想される国内外への影響が最小限となることが期待される。

(2) 移転に際しての基本的考え方

  政治・行政機能と経済機能を分離し、政治・行政機能に純化した新首都を想定する。 また、首都機能は原則として段階的・計画的に、最終的には全体的に新首都に移転することを想定する。

(3) 人口・面積・費用の想定

 首都機能移転に当たっては行政機関を整理・縮小すべきとする意見等があるが、作業仮説として、全部の首都機能が移転する最大の場合を想定すると、新首都の人口は約60万人、面積は約9千ha、費用は約14兆円と試算される。

(4) 新首都の開発方式の想定

 新首都の整備に当たっては、移転が実現するまでの社会・経済情勢の変動に対応できるような自由度・弾力性を確保すること等のため、新首都に立地する機能を一定の地域内に立地することがふさわしいものに分化し、計画の確定した地域から遂次整備に着手する「段階的クラスター型開発方式」を想定する。 また、国会及び国会関連部門から移転することが適当であり、中央省庁については、今後の地方分権・規制緩和の進展への対応等のため、国会とともに計画的・段階的に移転することが適当である。 また、首都機能移転は災害対応の見地から緊急を要するものであり、現首都の非常時には新首都を現首都に対する代替・補完機能として活用し得るように配慮する必要がある。
 本とりまとめにおいては、新首都の全体像としては小都市群のイメージであり、その一つ一つの小都市をクラスターと呼んでいる。

(5) 移転先地に求められる条件

 新首都の移転先地には、以下のような条件が求められる。
  ・地震・火山による火災の危険の少ない地域であること。
  ・急峻な地形でないこと。
  ・十分かつ安定的な水供給を行える地域であること。
  ・均衡ある国土構造の実現のため少なくとも東京圏は避けるべきであること。
  ・交通の利便性に優れていること。
  ・土地取得が容易であるよう地価が比較的低廉であること。等

(6) 土地対策

 首都機能移転に伴う投機防止対策、土地取得対策、土地利用対策について検討する必要がある。

[本資料目次]

3 新しい首都像

  新しい首都は、全ての国民に開かれ、世界最大の国際都市である東京都の連携を確保しつつ、我が国の国際社会における役割にふさわしい国際・外交機能を持ち、住み働く人々が快適に過ごすことができる新都市とすべきである。

[本資料目次]

4 東京の将来像

  東京は、首都機能移転を契機として、諸機能の再集中を引き起こさないように留意しつつ、ビジネス・文化面でその役割を果たすべきであり、このため東京圏の長期的ビジョンを検討する必要がある。

[本資料目次]

5 今後の課題

 今後、各界の意見聴取、大規模なアンケート等を通じ、首都機能移転に関する国民の意識を高める必要がある。また、皇居についての考え方及び具体的移転場所・移転時期の決定の問題等基本的かつ専門的事項については、本懇談会の場が検討を深めるには適当ではないので、それにふさわしい場の設定が期待される。

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